コーヒーの楽しみ方

私が美味しいコーヒーに出会うまで

私は以前、今ほどコーヒーを飲みませんでしたし、そう美味しい飲み物だとは思いませんでした。仕事中、気分転換に飲む程度でしたし、インスタントコーヒーは飲んだ後、口内にずっと残る苦味でムカムカするので苦手でした。

しかし、コーヒーの生豆を入手するようになって、コーヒーに対する認識が全く変わりました。焙煎したてのコーヒーは苦味や酸味があっても後味がスッキリとして美味しく、今まで飲んでいた市販のコーヒーは何だったんだという感じでした。

焙煎知識がなかった頃は、生豆から焙煎したてのコーヒーが出来上がる焙煎機付コーヒーメーカーを使っていましたが、そのうち手鍋や手網で焙煎するようになって、焙煎したてよりも数日経過したコーヒー豆の方が、さらに風味が増す事を知りました。

その後、コーヒーについて学習し、市販のコーヒー豆は一定価格を維持するため7、8種類の豆をブレンドし、原価変動に応じてブレンド比率を変えている事や、インスタントコーヒーにはロブスタ種という低品質の苦い豆が多く使われている事を知りました。

勉強を兼ねて、自家焙煎店自慢のブレンド豆も何度か購入しましたが、特別美味しいと感じる事はほとんどなく、店側のコーヒーの味を押し付けられている感じがしました。また某有名店では、豆粒ほどの石が平然と混入していて驚きました。

現在は、焙煎機を導入して自家焙煎コーヒー豆を自ら販売していますが、経験からお客様へ味の押し付けにならないように、コーヒーの原料である良質なストレート豆をお届けする事で、ブレンドはお客様ご自身で楽しんで頂ければと考えています。

ストレート豆を楽しむ

いくら美味しいブレンドコーヒーに出会ったとしても、銘柄さえわからないのではコーヒー好きとして物足りない気がしませんか。ストレート豆だと、世界中のコーヒー銘柄から、お好みのコーヒー豆を自ら選べるという楽しみがあります。

ちくしの工房では、価格と品質のバランスを重視し、良質で割安なストレート豆の銘柄を厳選して取り扱っています。コーヒー豆は需給のバランスで市場価格が決まるので、必ずしも高価な豆が美味しいとは限らないからです。

また、ブルーマウンテンやハワイコナなど、プレミアムコーヒーとして有名で高価な銘柄のコーヒー豆は取り扱っていません。確かに美味しいコーヒーですが、ブランド名で価格が設定されているため、価格と品質のバランスを考えれば割高すぎるからです。

ブレンド豆を楽しむ

ストレート豆では物足りないと感じたのであれば、色々なブレンドを自ら試してみるのもコーヒーの楽しみ方です。ブレンドは店側の企業秘密や押し付けではなく、お客様が純粋にコーヒーを楽しむ方法の一つだと、ちくしの工房では考えています。

酸味が強い豆、苦味が強い豆、全てが平均的な豆など、様々なストレート豆が存在します。コーヒーは嗜好品で好みも人それぞれですから、自分の好みに合わせてアクセントを付けるようにブレンドすれば、きっとお気に入りのコーヒーが出来上がりますよ。

ブレンドする際は、多種類をごちゃ混ぜにするのではなく、2種類か多くても3種類の銘柄に絞り、ブレンド比率は各30~70%程度の範囲にしましょう。体調や気分によって、コーヒーの味わいをその場で自由に変えられる点も、自家製ブレンドの魅力です。

コーヒーのドリップ方法(ペーパードリップ)

私も含め、毎日コーヒーを飲まれる方にとって、毎回ドリップする手間は結構面倒なものです。安価な物でも構いませんので、ペーパードリップ式のコーヒーメーカーを使うのが一番楽です。新鮮な自家焙煎コーヒー豆なら、味もそれほど変わりません。

しかし、たまにはハンドドリップでコーヒーをじっくり楽しみたいものです。そんな時にオススメのドリッパーが、ハリオ社のV60です。円すい形の1穴式ドリッパーなので、よりネルドリップに近い抽出が可能です。

ドリップに最適なお湯の温度は沸騰前の80~90℃なので、沸騰した後のお湯を使う事は避けて下さい。お湯はコーヒー豆に乗せるようにそっとドリップしますので、少量ずつ注げるコーヒーポットがなければ、代わりに急須やティーポットを使って下さい。

ドリッパーに中細挽きのコーヒー豆を入れて平らにならし、ペーパーに直接お湯をかけないようにコーヒー豆全体を湿らせ、30秒放置して蒸らします。膨らんだコーヒー豆の高さを超えない位、中心から渦を巻くように、そっとお湯を継ぎ足してドリップします。

ドリップ中は、中心部分が少しへこんできたらお湯を継ぎ足す事を繰り返します。ドリップする分量に近づいたら、ドリッパーにお湯が残っている状態でも取り外します。分量が足りなければお湯を直接コーヒーに継ぎ足しても構いません。

コーヒー豆の保存方法

市販のコーヒー豆は真空パックで鮮度保持をしています(真空パックでなく売られているコーヒー豆は明らかに低品質です)が、焙煎したての状態ではないので、一度開封すると風味の劣化がとても早く、すぐに風味が失われてしまいます。

その場合、一度に飲みきれない分のコーヒー豆を小分けにして冷凍庫で保存すれば風味が長持ちします。ただ、最も美味しいコーヒーの飲み方は、自家焙煎店で焙煎したてのコーヒー豆を2週間くらいで飲みきれる分量だけ、こまめに入手する事です。

焙煎したてのコーヒー豆は、豆の状態ならば常温で3~4週間は密閉容器にて保存可能ですが、挽き豆の状態だと2週間前後で風味が失われます。あらかじめコーヒーミルを用意しておき、ドリップ直前に豆を挽く事をオススメします。

ちなみに自家焙煎店によっては、最も風味の良い状態でコーヒー豆を販売するために、焙煎後数日から1週間は豆を寝かせている場合もありますので、必ず焙煎日を確認して賞味期限内に飲みきれる分だけを購入するようにしましょう。

ご家庭で自家焙煎を楽しむ

コーヒーの生豆と多少の焙煎知識があれば、ご家庭でもコーヒー豆を焙煎する事ができます。生豆の他に、行平鍋、菜箸、ザル、うちわとガスコンロがあれば、特別な道具は不要です。難しい技術も不要なので、慣れれば誰でも焙煎できるようになります。

銀杏煎り用の手網を使えば片手鍋よりも均一に焙煎できますが、焙煎の際に生豆の薄皮が弾けて大量に飛び散りますのでコンロの掃除が大変です。その点、片手鍋だと薄皮がほとんど飛び散らないので、キッチンで作業する場合はオススメです。

ちくしの工房では、自宅で自家焙煎を楽しまれる方のために、コーヒーの生豆も販売しています。初心者の方には焙煎指導も行っていますので、ぜひ一度はチャレンジして頂ければ幸いです。焙煎時に漂うコーヒー豆の香ばしさに癒されますよ。